さぼり筋改善トレーニングで、からだが訴える不調(関節痛、首・肩こり、自律神経症状、慢性症状など)を根本から改善していく、関節をボキボキしない姿勢改善専門の整体院です
京都市右京区西京極西衣手町18-2
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2023/08/01
肩が凝ったら、凝っている所ばかりほぐしていませんか?  

今月は「肩こり」について書いていきます。


肩が凝ると、肩の鈍痛や背中の張り、頭痛、首が回せなくなったりするため、凝っている所をグリグリ、モミモミ、ストレッチしたり、首をボキボキ鳴らしてみたり、鍼灸で血行を良くしてもらったりすると気持ち良いですよね。
でも、施術してもらったのに時間とともにまたつらい症状が戻ってきて、再び凝っているところグリグリ、モミモミ。。。していませんか?
肩こりの原因は、座って同じ姿勢で仕事をしていると常に肩に力が入りすぎている結果、首・肩周りの筋肉がガチガチに凝ってしまって、血行も悪くなってしまっていると思いますよね。
間違いではありませんが、首・肩周りの筋肉の凝りの原因はそれだけじゃないんです。

ヒトのからだの筋肉は使いやすい筋肉ばかり使ってしまうので、アンバランスに筋力を発揮している結果として少しずつ関節が正常な動きを失い、歪む、ズレる、凝るといった症状がでてきます。
関節を構成している筋肉は、バランス良く力が発揮できていると正常な動きができるので歪む、ズレる、凝るというような症状は起きにくくなります。
関節が歪んでるから、ズレてるから、凝ってるから筋力が発揮できずに痛くなってくるのではありませんよ。

なので、デスクワークをしているときの姿勢は、使いやすい筋肉ばかりが働いている状態が作り出されている反面、正常な働きをサボろうとする筋肉もあるのです。
そのサボっている筋肉に何もせず放置しているせいで、再び肩が凝ってきて、つらい症状が戻ってきてしまうのです。

では、肩こりの原因になるサボりやすい筋肉は?というと4つあります。
肩こりで悩む方の多くが、肩甲骨と腕をつないでいる所の関節を構成している筋肉がサボっている、働きにくくなっている状態です。
その構成している場所を鍛えるべき筋肉が、背骨から肩甲骨の内側までつないでいる菱形筋(りょうけいきん)と脇の下の肋骨から肩甲骨の内側をつないでいる前鋸筋(ぜんきょきん)です。
菱形筋がサボると首の後ろの筋肉がガンバってしまいます。頭と首を下側から支えてくれる筋肉です。
前鋸筋がサボると鎖骨の下の胸の筋肉がガンバってしまうため、肩甲骨が外側へ移動しようとしてしまうため巻き肩になってしまいます。
また、第1肋骨から首につながる筋肉もガンバってしまうため、首こりやストレートネックの原因にもなってしまいます。
この2つの筋肉がサボる、働きにくくなることで、頭と首を支えている筋肉(肩が凝ると手で触ってしまう場所)が凝ってしまい、その結果、首が回しにくくなったり、痛くなったり、ストレートネックになったりしてしまいます。

残る2つの筋肉は、肩甲骨の前面から上腕骨上方の内側をつないでいる肩関節の前部分を支える肩甲下筋(けんこうかきん)、肩甲骨の外側と上腕骨上方の後ろから肘の後ろをつないでいる肩関節の後ろを支える上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)です。
上腕三頭筋は、女性がダイエットで気になる場所のひとつ、二の腕と言われる場所です。
肩甲下筋がサボると腕の力こぶができる場所の筋肉、上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)がガンバってしまいます。
肘の前につながっているので、肘の痛みがでることもあります。
また、肩甲下筋は前鋸筋とつながっているので、前鋸筋がサボると肩甲下筋も同時にサボってしまうので巻き肩の原因にもなる筋肉です。
上腕三頭筋がサボると上腕二頭筋と肩甲骨の後ろで上方と外側の筋肉がガンバってしまいます。
肩の後ろが痛いときは、この筋肉がサボっているのです。

この4つの筋肉の働きが悪くなると、肩こりに限らず「四十肩」、「五十肩」といったことにもなってしまいます。
肩が凝っている場所を揉んだり、伸ばしたり、首や背中をボキボキ鳴らすなら、肩こりの原因になっているサボリ筋を鍛えるのが症状の戻りがない方法です。
サボリ筋を放置していては、良くなるものも良くならないです。

今月も最後まで読んでいただきありがとうございました。

2023/06/01
あなたはどのような姿勢や動作をすると腰が痛みますか?
正常な腰椎は、おなか側の方向に少し凸になるようにカーブになっています。

でも、以下の姿勢や動作をしたとき、どうですか?
・からだを後ろへ反らすと痛い
・からだを横に傾けると痛い
・寝てるときに痛い
このような場合は骨盤が前に倒れて、上半身が前に倒れていかないように腰を過剰に反らしてバランスを取ろうとします。

これは、腰が反るタイプの腰痛です。


では、次の姿勢や動作をしたとき、どうですか?

・からだを前屈すると痛い

・からだを左右にねじると痛い

・座ってると痛い

このような場合は骨盤が後ろに倒れて、上半身が後ろへ倒れていかないように背中や腰を丸くしてバランスを取ろうとするため、猫背になり、腰椎のカーブはなくなってまっすぐの状態になります。
これは、腰を丸くしたタイプの腰痛になります。

では、この2つのタイプの腰痛の原因はなんなのでしょうか?

骨盤や腰椎が歪んでいるから?ズレているから?

じゃあ、腰椎や骨盤をボキボキ鳴らして矯正して歪みやズレを治せば良いじゃないと思っている方、非常に多いと思います。

先代の時はそれで一瞬で治った経験のある方も多いと思います。

私も同じように幾度となく腰やあらゆる関節を矯正してもらった経験があるので非常に良くわかりますし、信じていました(笑)

つまり、腰の歪みやズレが原因で痛みが出ているという見解でしたから、関節をボキボキ鳴らして「もう、痛ないやろ?」「腰椎のズレは治ったぞ」で終わっていました。


しかし、よく考えてみてください。

腰が歪んでしまうズレてしまう原因ってなに?って思った方、気づいた方、いらっしゃいますか?

すべての関節にも言えることですが、腰にフォーカスして歪みやズレの原因はなんなのか?をさらに掘り下げると、そもそも腰椎や骨盤が歪んでしまう原因は、腰回りを支えている筋肉が本来の働きをサボってしまい、筋力が低下してしまった結果、腰を構成している骨盤や腰椎の関節を支えきれなくなって歪んだりズレてしまうのです。

個人差はありますが、腰をボキボキ鳴らして矯正してもらったけど腰の慢性症状が消えなかったり、痛みが戻ってきたり、ギックリ腰を再発したりしませんでしたか?

それは、間違いなく骨盤や腰椎の関節が歪んだりズレたりして痛みを発しているのではなく、本当の原因は筋力が低下してきてしまった結果、骨盤や腰椎の関節が歪んだりズレたりしているのです。
これは年齢に関係なく、中学・高校生のような若い子でも腰の筋肉の使い方が悪いと頑張りすぎる筋肉とサボってしまう筋肉が存在してしまうため、腰痛になってしまうのです。

腰が反るタイプの痛みの原因となる筋肉はどこなのか?
腰椎の横から骨盤の中を通って太ももの骨の内側に付着する大腰筋(だいようきん)と骨盤の内側から太ももの骨の内側に付着する腸骨筋(ちょうこつきん)、2つ合わせて腸腰筋(ちょうようきん)というのですが、この筋肉の筋力低下が原因で本来の働きをサボってしまうために骨盤が前に倒れてしまい、腰は反った状態になってしまうのです。
そうすると、お尻の奥にある梨状筋(りじょうきん)、骨盤の外側から太ももの外側を通って膝関節の外側に付着する大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)が過剰に頑張りすぎてしまうため、その筋肉が痛くなったり、背中と腰の境目あたりに痛みを発してしまいます。
特に、お尻の奥にある筋肉(梨状筋)が硬くなりすぎると坐骨神経を締め付けてしまうこともあり、その場合は足にシビレが出てきてしまいます。

腰が丸くなるタイプの痛みの原因となる筋肉はどこなのか?
腹筋は、表層から腹直筋(ふくちょくきん)、その次の層の左右にある腹斜筋(ふくしゃきん)、おなかの最深部の左右にある腹横筋(ふくおうきん)の順番に構成されています。
それと、背骨の後ろ側の最深部の左右にあり、背骨を1個ずつ支えて安定させたり、腰や上半身を反らせたりするときに働く多裂筋(たれつきん)があります。
この腹横筋と多裂筋が筋力低下を起こし、本来の働きをサボってしまうために骨盤が後ろに倒れて腰が丸くなった状態になります。
まず、腹横筋が弱ると上半身の重さを支えつつ骨盤を水平に保つ働きを、骨盤の外側から大腿骨の外側の出っ張ってる骨の所をつないでいる中殿筋(ちゅうでんきん)だけに過剰な働きをかけてしまいます。

また、多裂筋が弱ると腰の前側の最深部で支えている腸腰筋に過剰な働きをかけてしまうので、過緊張で硬くなってしまいます。

そして、太ももの前の付け根にある恥骨筋(ちこつきん)が腸腰筋の隣にあり、おまけに似たような働きもするので、腸腰筋と同様に過剰な働きをまともに受けてしまいます。
腹横筋は内臓をコルセットのように包んでくれている腹筋なので、弱ってくるとぽっこりおなかの原因にもなってしまいますし、レントゲンを撮ると背中から腰までの背骨のカーブが消えてまっすぐになっている方もいらっしゃいます。

腰が反るタイプ、丸くなるタイプで気になる腰痛の代表的な診断名は?
腰が反るタイプでは、腰椎分離症やすべり症、坐骨神経痛が多く見られます。椎間板ヘルニアもこちらのタイプで見られます。
腰が反るタイプの場合は、腰椎が過度におなか側に凸のカーブを描いてるので、腰椎はおなか側にすべりやすい状態になります。
分離症も腰椎の後方にある突起部分が折れて分離している状態なので、過度のカーブによっておなか側にズレていってしまいます。
また、反り腰になると腰椎の下になる仙骨もおなか側に傾く角度が大きくなります。
そうなることで、必然的に腰椎がおなか側にすべりやすくなってしまうのです。
仙骨が前に傾きすぎることで、仙腸関節にも過剰に負荷がかかり、炎症による痛みも起きやすくなります。

腰が丸くなるタイプでは、脊柱管狭窄症が多く見られます。椎間板ヘルニアもこちらのタイプでも見られます。
腰が丸くなるタイプの場合は、背骨の後ろ側の最深部の左右にある多裂筋と上半身の重さを支えながら骨盤を水平に保つ働きをしてくれる腹横筋が弱ることで骨盤は後ろに倒れ、腰椎はおなか側の方向に少し凸になっている自然なカーブが失われて、真っ直ぐになっている状態になります。
そうすると、上からは上半身の重さと下からは地面からの衝撃が通常よりも腰椎へかかることで縦方向の過剰な負担が、椎間板に偏った圧力を与え続けることになって、つぶれてはみ出したりしてしまいます。つぶれてはみ出すことで、背骨の中のスペースが狭くなるため、その中を通る脊髄神経が圧迫されて痛みやしびれが生じてしまいます。

腰が反る、腰が丸くなる、いずれも腰回りの筋力のアンバランスが原因で引き起こされています。
ギックリ腰も腰の筋力のアンバランスが原因で筋肉が過緊張を起こし、限界を超えてしまったことによって起こる腰痛です。
さらに、アンバランスを放置していると腰回りの関節にもダメージを与えてしまい、腰痛が重症化していくその行き着く先がすべり症や腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などの疾患になってしまいます。

腰が痛いから手術をしたけども良くならない話を聞いたことありませんか?
その痛みの発端は、腰まわりの筋肉の筋力低下なので、これを無視して腰痛が治ることはありません。
そして、手術で筋力低下している筋肉は強くなりません。
腰痛をなんとかしたいなら、施術とセルフケアの運動療法で腰回りの筋力をバランス良く整えることです。

今月も最後まで読んでいただきありがとうございました。

2023/02/24
外部からの衝撃で動脈解離を起こす場合もあります  
今月は、ヒトの血管について書いていきます。

血管も年齢とともに弾力を失って厚くなったり、硬くなったりして老化していきます。
動脈硬化には、血管が狭くなるタイプと血管が硬くなるタイプの2種類があります。
血管が狭くなるタイプは、主にLDLコレステロールが溜まることが原因で起こります。
血管が硬くなるタイプは、血管内にカルシウムが沈着して、石灰化と呼ばれる状態になることで起こります。

では、動脈解離(どうみゃくかいり)という血管の疾患をご存じでしょうか?
動脈の壁は、内側から順番に内膜、中膜、外膜の三層構造になっています。
この三層のうちの一番内側の内膜という壁に傷がつくと、そこから血液が中膜に流れ込むため、血流の圧力によって中膜は2層に裂けて剥がれてしまう状態(血管壁外へは出血しない)を動脈解離といいます。

芸能人の方も動脈解離を起こしたり、亡くなられた方がいらっしゃいます。
1981年には故、石原裕次郎さんが胸部に解離性大動脈解離の診断を受け、2022年にはお笑いコンビ「千鳥」のノブさんが左椎骨動脈解離(破裂に至らない左の首の動脈解離)となって、しばらく休養されていました。
そして先月には落語家でタレントの笑福亭笑瓶さんが急性大動脈解離で亡くなられました。

動脈解離は全身の動脈に起こります。
動脈解離が起こる原因には外傷性、進展性、特発性の3つのパターンがあるそうです。
外傷性による動脈解離は、外部からの衝撃で血管が裂けて発症するタイプです。

進展性によるものは、心臓の近くの大動脈で解離が起きた場合、解離の進み具合によっては首にある内頚動脈や椎骨動脈にまで進展することがあります。

特発性は、動脈解離の原因が不明の場合が、これに当たります。


今回は外傷性による椎骨動脈解離のことに触れていきます。
動脈解離は関節をポキポキ鳴らす関節矯正によって、特に首の椎骨動脈解離を起こしてしまうリスクがゼロではないことを知っておいてほしいと思います。


首には脳に血液を送っている動脈が2対あります。

ひとつは首の前側にある頚動脈、もうひとつは首の骨の中にある椎骨動脈です。

頭部では椎骨動脈の解離が最も多く、椎骨動脈が解離すると突然の激しい頭痛を起こします。

このときに適切な治療を受け、血管の裂ける程度が軽症で頭痛の症状のみでとどまった場合は、おおむね重大な問題は起こりません。

しかし、血管の裂ける場所や程度によっては、裂けた血管が詰まって脳に血液を送れなくなったり、解離した場所から血栓と呼ばれる血の固まりが心臓付近から首のほうに向かって血管の中を移動して脳血管を閉塞したりして、脳梗塞を起こします。

その結果、運動麻痺や言語障害や嚥下障害などが出現します。

また、血管の壁が外側まで裂けて、血管外に血液が漏れ出ると、くも膜下出血を起こし、激しい頭痛や意識障害が出現して致命傷になることもあります。


椎骨動脈解離はすべての年代で起こりますが、解離が起きてしまうタイミングはいつ起きるかわかりません。
動脈硬化の状態にもよりますし、関節を矯正するときの強さによっても引き起こされるのではないかと思います。
はっきりした原因が分からない場合もありますが、整体で関節をポキポキ鳴らす矯正手技や様々なスポーツ(ゴルフのスイング動作などでも)、日常動作などで首を急に曲げたり、外傷や交通事故で頭部をぶつけたり、首をひねったりして椎骨動脈解離を起こすことがあるともいわれています。
しかし、日本でも海外でも実際に、肩こりや頭痛の症状があるから治してもらおうと整体に行かれて、まさか椎骨動脈解離を引き起こすとはお客様も施術者も予想できませんから、首の矯正をしたあと、時間の経過とともにお客様のからだの状態が悪くなり救急搬送された事例はあります。
そのため、首を急に動かす動作は控えるほうが良いともいわれています。

また、タバコは脳を含めた全身の血管に最も悪影響を及ぼすので、動脈硬化を進めてしまい動脈解離を起こす確率が上がってしまいます。


動脈解離や脳梗塞は、いつどんなタイミングで起こるかわかりません。
そして、関節矯正をすることに賛否両論はあります。

関節矯正はからだをすっきりさせる、症状を一瞬で消す万能な手技ではないことを知っていただけたらと思います。

関節を鳴らさず、筋肉を調整することで関節矯正手技よりも安全に症状の改善は見込めます。

どんなことでもいえることですが、リスクはつきものです。

すっきり爽快感があるからとか、ポキポキ鳴らしてもらうのが良いんだという思い込みなど、安易な理由で関節をポキポキ鳴らす、施術者に鳴らしてもらうのは、からだにはリスクの高い行為になります。

気をつけていただけたらと思います。


今月も最後まで読んでいただきありがとうございました。

2023/01/25
足がつりやすくて漢方薬を飲んでるけど効かない!
どうする?  
朝起きようと思って伸びをしたり、夜中に突然ふくらはぎがピキーン!!!ってつってしまい、あまりの痛さにしばらく動けず、痛みから解放されるのをひたすら耐えた経験ありませんか?
以前よりも足がつりやすくなって病院で相談したら、足がつらない漢方薬を処方してもらって飲んでるけど、効いてないってことありませんか?

足がつりやすい時に処方される、よく知られた漢方薬は「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」というものです。
漢方の考えでは、筋肉がつる状態というのは「気」と「血(けつ)」が一時的に不足している状態。
つまり、動力と栄養分が足りなくなった状態になっているから不足したものを漢方薬で補給するといわれています。

当院に来られたお客様からも、病院で処方されて服用してるけど効いてないというお話を聞くことがあります。
では、どうすれば良いのか?
継続して漢方薬を服用する?
それとも、足がつるたびにストレッチする?

以前、3年ほど前のブログに書いたことがありますが、再度書いていきます。

足がつってしまう原因

筋肉は過剰に伸びたり収縮したりすると痛めてしまうので、伸びすぎを防ぐ筋紡錘(きんぼうすい)と、ちぢみすぎを防ぐ腱紡錘(けんぼうすい)というセンサーがあります。

その中で、ちぢみすぎを防ぐ腱紡錘の働きが低下すると筋肉が過剰に収縮して、こむらがえりが発生してしまいます。


ちぢみすぎを防ぐ腱紡錘の働きが低下してしまう大きな原因には、ミネラルバランスの乱れがあります。

筋肉の細胞にはカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、水素の各イオンバランスが取れていることで正常な伸びちぢみができます。

カルシウム、カリウムは、筋肉の収縮や神経の伝達をスムースにする働きがあり、この2つのミネラルを調整しているのがマグネシウムです。

特にマグネシウムが不足してしまうと、ちぢみすぎを防ぐ腱紡錘の働きが低下してしまいます。

ミネラルバランスの乱れ以外にも、運動中や就寝中の発汗による脱水でミネラルが失われる、体の冷えによる血行不良も、ちぢみすぎを防ぐ腱紡錘の働きを低下させる原因です。

また、加齢によってもちぢみすぎを防ぐ腱紡錘の働きは低下してしまいます。

年齢を重ねると若い頃よりも運動量は減ってくるため筋肉量が減少し、筋力低下を起こしてしまいます。

筋肉量が減ると筋肉内の血行も悪くなってくるため、疲労物質が排出しづらくなり、就寝中にこむらがえりのリスクが高まってしまいます。


足がつらないようにするにはどうすれば良い?

●水分、ミネラルをこまめに補給

 運動中や就寝中は水分不足でこむらがえりが発生しやすくなります。スポーツドリンクなどで水分・ミネラルを補給するようにしてください。

 また、就寝前にコップ1杯の水を飲むのも有効ですよ。

●栄養バランスに気をつける

 マグネシウム不足は腱紡錘の働きを低下させてしまいます。

 マグネシウムは、わかめやひじきなどの海藻類やナッツ類に多く含まれています。

 カルシウムは、乳製品や大豆製品、魚介類に多く含まれています。

 カリウムは、さつまいもなどのイモ類、バナナやキウイなどの果物に含まれています。

 また、疲労を回復させるのに、豚肉やうなぎなどに含まれているビタミンB1、レモンや梅干し、お酢に含まれるクエン酸も摂れると良いでしょう。

●からだを冷やさない

 冷えは筋肉を収縮させてしまいます。

 夏でもパジャマは長ズボンを選ぶ、足にタオルケットをかけるなどしてください。

●湯船につかる

 シャワーだけで済ませるのではなく、湯船につかってからだを温めて血行を良くして、疲労物質を流しましょう。

●空いた時間にストレッチ 

 仕事で座りっぱなし、立ちっぱなしの方、休憩時間にふくらはぎを伸ばしたりすることも予防になります。


水分もミネラルもしっかり取って足を冷やさないようにしてるのに、それでも足がつってしまうのなら、ふくらはぎの筋肉の筋力低下が考えられます。
じつは、足がつりやすいのも関節トレーニングで改善できます。
「ふくらはぎの深部から内側のくるぶしを通って、つちふまずに付いている筋肉」と「膝から下の足の外側にある筋肉」と「足の裏の筋肉」をトレーニングすることで筋力を回復させて腱紡錘の働きを正常にします。
足がつりやすい方は、このトレーニングを始めるとき、ちょっと動かしただけでもつってしまうかもしれません。
でも、それだけ筋力が低下し、腱紡錘の働きも低下しているのでつってしまうからと言ってトレーニングをあきらめると、足がつる症状に悩む日々が続いてしまいます。
足がつりやすい方は一度ご相談ください。

今月も最後まで読んでいただきありがとうございました。

2023/01/24
関節トレーニングは関節痛以外にも効果を発揮します!  
今月は関節トレーニング(セルフケア)の効果について書いていきます。

以前もお伝えしましたが、凝っているところを揉む、緩める、鍼灸などで血行の流れを良くする、骨盤矯正など関節をポキポキ鳴らす矯正では、働きが悪くなっている筋肉を力が出やすいようにすることはできません。
関節を守るための筋力のバランスが悪いままでは再びからだは歪んでしまい、凝りや痛みが再発してしまいます。
働きが弱くなった筋肉を狙って意識して動かすことが、痛みなどの症状を改善し、からだを歪みにくくする方法とお伝えしました。
そして、関節を守る重要な筋肉は12個あり、その筋肉は働きが悪くなりやすいので、セルフケアをしなくなると凝りや関節痛を再び招きやすい特徴があります。
だから、セルフケアの継続は必要になってきます。

関節トレーニングという言葉から、関節痛だけに効きそうに思えてしまいますが、じつは関節痛以外にも効果を発揮してくれます。
関節を守る筋力がバランスを保てるようになると、筋肉は正常な働きを取り戻して美容痩身効果、代謝や血流向上といった内科的なことにも効果を発揮します。

例えば、ふくらはぎには何個も筋肉があり、その中でも特に腓骨筋(ひこつきん)、後脛骨筋(こうけいこつきん)の働きが非常に大事です。
この2つの筋肉の働きが正常であれば、ふくらはぎの役割でもあるポンプ機能も正常になり、全身の血液やリンパ液の流れは促されるので、足がむくむこともありませんし、つってしまうこともありません。
また、体幹にある多裂筋(たれつきん)と腹横筋(ふくおうきん)を鍛えれば、息を吸うときに大事な働きをする横隔膜の動きが良くなるので、深い呼吸や自然な腹式呼吸ができるようになり、腹横筋は腹部をコルセットのように引き締める役割もあるので、ポッコリおなかの解消にもなります。
肩甲骨周囲の筋肉を鍛えると、首や顔に筋肉はつながっているので目の下のたるみやしわなど、顔の表情筋にも良い影響を与えてくれます。
さらに、腹横筋と内転筋(ないてんきん)を鍛えることで骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)にも良い影響を与えるので、尿漏れ対策や妊婦さんの安産対策にもなります。

血流が良くなると、高血圧、糖尿病をはじめとした生活習慣病の改善、新陳代謝のアップ、便秘や冷え症の改善など、いろいろな体調不良の改善が期待できます。
また、リンパ液の流れが良くなれば、体内の老廃物や余分な水分がスムーズに排出されるようになります。
呼吸が深くなって腹式呼吸ができるようになれば、デトックス効果、リラックス効果、疲労回復の促進効果も得られます。
これらが相乗的に働くことで、中性脂肪の低下、内臓脂肪の燃焼といったダイエット効果も大いに期待できるでしょう。

このトレーニングを定期的に取り入れて実践すると、働きの悪い筋肉が正常に働くようになり、関節が安定して効率的でスムーズな動きが可能になるうえに、血液やリンパ液など、全身の循環機能もアップすることから新陳代謝が高くなり脂肪燃焼を促すことは間違いありません。
もちろん、関節トレーニングをする頻度によって、効果が出始めるのには個人差があります。

施術してもらったときだけ、たまにしかやらない、やり方が間違っていたら効果は期待できません。


でも、正しくやり方を覚えてしまえば、上半身に約5分、下半身に約5分の所要時間で1日分のセルフケアは完了です。
スポーツをされている子どもから大人の方であれば、試合前、練習前にやるとケガの予防にもなりますし、パフォーマンスの向上にもつながります。
24時間あるうちの約10分だけ、ご自分のからだにケアする時間を作ってみてはいかがでしょうか?

今月も最後まで読んでいただきありがとうございました。

2022/12/25
セルフケアで関節トレーニングを教えてもらったけど、こんなときはどうすれば良い?  

先月は、働きの悪くなった筋肉に意識を向けてギューっと力を入れる、関節トレーニングのやり方がよくわからないという方のために、コツを5つお伝えしました。

今月は、関節トレーニングを教えてもらってやってるけど、こんな場合はどうしたら良いの?っていうのをお伝えしていきます。

●トレーニングをやってるけど、慢性的に関節痛があってなかなか良くなってる感じがしない。
 安静にしていても、日常生活でいろいろな動作をしても、関節に負担をかけてしまうので、思っているよりも痛みがなかなか改善しないことがあります。
 でも、関節トレーニングを継続することで働きの悪くなっている筋肉は鍛えられて日常生活動作での負担はいつのまにか軽減し、痛みも消えていきます。
 慢性的に痛みがあるときは、1~2週間くらいは毎日やってみてください。
 1~2週間で痛みが軽減するケースが一般的ですが、なかなか改善しないこともあるので、その場合は関節を守る筋肉の働きがかなり弱っている、脳からの「働け!」という指令が届きにくくなっていると思っ
 て根気よく継続しましょう。
 やったりやらなかったり、我流になってしまっていては効果は出てきません。
 痛みがあるときこそ、継続して関節トレーニングをしてください。

●トレーニングの後、関節周辺に痛みを感じるとき
 関節トレーニングは、普段使わない筋肉に意識を向けて力を入れるトレーニングなので、筋肉痛が出る可能性はあります。
 筋肉痛の程度は、強く出る方もいれば、全く出ない方もいますが大丈夫です。不安にならず、継続してください。
 慣れてくると筋肉痛はおさまってきます。
 ただし、あまりにもひどく痛む場合は無理にすることはありません。

●トレーニングをやると「ズキッ!」と強い痛みがでるとき
 筋肉痛以外の強い痛みがある場合は、運動を中止して正しいフォームになっているか確認してください。
 強い痛みを我慢してやると、症状を悪化させてしまう可能性があります。
 正しいフォームになっているのに痛みが出る場合は、痛みの出ないトレーニングからやってみて、再度痛みが出たトレーニングをやってみてください。
 それでも痛みが出る場合は、力を入れる負荷量を減らしてみてください。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                  
 完全にやめるのではなく、様子をみながら少しずつ再開してみてください。

関節トレーニングをしてはいけないのは以下の場合のみです。
・骨折していて動かしてはいけないとき。
・炎症症状が強く、少し動かしただけで激痛が走るようなとき。
 上記2つの状態がなければ、様子をみながら継続してみてください。

●トレーニングをすると足の指や裏、ふくらはぎがつってしまう
 このトレーニングをするとよくあることですが、足がつってしまうくらいまで力を入れず、つってしまう手前で止めましょう。
 それでもつってしまう場合は、他の筋肉のトレーニングからやってみて、再度つってしまったトレーニングをやってみてください。
 決して無理はしないでください。
 つってしまうということは、それだけ筋力が低下している、筋肉の働きが悪くなっているということです。
 焦らず、コツコツと継続してトレーニングをしましょう。

●1日どのくらいの頻度でやれば良い?
 何回やっていただいても大丈夫です。
 最低でも1日1回はできると良いですね。
 このトレーニングも、歯みがきをする習慣と同じと思ってやってみてください。
 歯みがきも、虫歯にならないように、口臭がしないように予防のために1日に最低1回はしますよね?
 このトレーニングも、からだの不調、関節痛を改善したり予防できるのでやってみてください。

今月も最後まで読んでいただきありがとうございました。

2022/10/25
からだの歪みや関節痛に、マッサージ、鍼灸、関節をボキボキ鳴らしてもダメなら何をするの?  

先月、働きが悪くなった筋肉が原因で、関節の痛み、からだの歪みになってしまいますとお伝えしました。

関節痛、からだの歪みの症状に対して、凝っている筋肉をゆるめる、鍼を打つ、関節をボキボキ鳴らすことをしても一時的に良くなることはありますが、根本改善にはならないともお伝えしました。

今月は、その続きにもなりますが、じゃあ何をしたら良いの?っていうのをお伝えしていきます。

からだを動かす要になるのは腰が中心になりますが、足を動かすために腰(股関節)、膝関節、足首、そして手や腕を動かすために肩甲骨、肩、手首、それぞれの関節に2個ずつ、関節を支えて正常な動きをサポートしてくれる非常に重要な筋肉があります。
全部で12個の筋肉があり、どれも力を入れたときに収縮している、働いていると感じにくく、それほど大きくない筋肉があります。

これらの筋肉は、関節を支える上で重要な働きがあるにも関わらず、かなり働きが悪くなりやすい特徴があります。

ヒトは、使いやすい筋肉ばかりを使う傾向にあるので、どうしても働きの悪い筋肉は、ほったらかしにされた状態になってしまいます。

この状態が関節の動きを悪くしてしまい、痛みなどの症状が出るまで長年その動きに慣れてしまうことで関節痛が発症したり、関節の歪みの元になってしまいます。

じゃあ、筋肉の働きが悪くなりやすいなら筋トレをすればいいのか?

いいえ、ちょっと違います。

動かして関節に痛みが出ているときに筋トレをしたり、ゴルフのスイング練習などをしても、関節を守り、動きをサポートするための筋肉は鍛えられません。

筋トレで動く筋肉は、大きくて使いやすい筋肉が動くので、良くなるどころか、さらに痛めてしまうリスクがでてきます。

じゃあ、どうするのか?


筋トレではなく、働きの悪い筋肉に意識を向けて関節を動かすトレーニングで、凝りや関節痛の原因となっている筋肉を動かすことで改善に導きます。

つまり、自分で動かすセルフケア、運動療法です。

え~~~!!

自分で運動するの?運動苦手やからできひんわ~って言われてしまいそうですが。。。(^^;)

じつは、運動療法は整形外科疾患においても、手術よりも効果があると実証されています。

これは日本だけの話ではなく、海外でも言われていることです。


私がここで言う運動療法は、重りを持っての筋トレではありません。

みなさんが思われている筋トレは、からだの表面にある大きな筋肉、使いやすい筋肉を動かすのをメインにしたトレーニングになります。
なので、筋トレでは目的とする働きの悪い筋肉に着目して鍛えることはできません。
しかし、自分で動かす関節トレーニングは重りを持たず、働きの悪い筋肉を狙って自力でギューっと力を入れるだけの非常に簡単なやり方です。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、決まったフォームで、働きの悪くなった筋肉に意識しながらギューっと力を入れる、あれです(笑)
効果が出たという方もいらっしゃいますし、やってるけど効いてるのかよくわからないという方もいらっしゃいます。

よくわからないという方のために、関節トレーニングをやるときのコツを5つお伝えします。
1.正しいフォームになっていますか?
 働きが悪くなった筋肉だけを狙って動かすので、正しいフォームでする必要があります。
 こんな感じやったかな?と微妙な角度や向きを間違えていると、いくら回数をこなしても効果は出てきません。
2.意識を向ける筋肉はひとつだけ
 関節トレーニングをする際には、意識を向けるべき筋肉に集中してください。
 筋肉芸人の「なかやまきんにくん」がされているように、動かす筋肉に集中して、語りかけるようにでも良いですよ。
 なんとなくやってしまうと、凝っている筋肉を動かしてしまうこともあるので、働きの悪い筋肉は働かないままの状態になってしまいます。
3.最大の力を出せていますか?
 筋力は、筋肉が太ければ太いほど強い力が出るものではありません。脳から「動け!」という指令がいかに多く出るかによっても決まります。
 なので、狙う筋肉には「働け!」と意識しながら10秒間最大の力を出しましょう。
4.息は止めないで!
 この関節トレーニングは、10秒間最大の力を出すのが基本になるのですが、息を止めてしまう方もいらっしゃいます。
 血圧が上がり、心臓に負担をかけてしまいます。
 時短で、楽に、継続できるトレーニングにしてほしいので、息をゆっくり吐きながらやりましょう。
5.効いてる感、やってる感を求めすぎないように!
 関節トレーニングは正しいフォームでやる必要があるので、初めてやる方には少しむずかしく感じると思います。
 関節を守る筋肉の働きがかなり弱っている方は、脳からの「働け!」という指令が届きにくくなっているので、狙おうとしている筋肉に力が入っている感覚がわかりにくくなっています。
 でも、力が入っているのがわかりにくくても、正しいフォームで毎日継続してやってみて、からだの変化をみてください。
 効いてる感、やってる感を求めてしまうと狙うべき筋肉と違う筋肉に力を出してしまっては意味がなくなってしまいます。

意外とできているつもりができていなかったり、そもそもトレーニングする回数が少なかったりでは、症状の変化は変わらないと思います。
時短ですむトレーニングなので、症状があるうちは毎日やってみてください。
それでも変化がなければ、別のところに原因があるかもしれません。
この関節トレーニングは、ポキポキ整体でも治らなかった症状が治った方もいらっしゃいます。
ポキポキ整体に恐怖感をもたれている方には最適かと思います。
関節トレーニングも継続は力なりです。

今月も最後まで読んでいただきありがとうございました。


2022/09/30
関節が痛い、からだの歪み、凝り、からだの不調はなぜ起こる?  

関節痛、ストレートネックなどのからだの歪み、首こり、肩こり、背中や腰、膝が痛い、からだの不調などなど。

背骨や骨盤、関節が歪んでるから、血流が悪くなってるから凝ってしまうと思われてる方が多いと思います。
今月は、関節痛やからだの歪み、凝り、からだの不調などの原因について書いていきます。

からだの歪みが関節痛や凝り、からだの不調の原因と思われて、関節をボキボキと矯正して整えることや凝りをほぐすことが根本治療とされてきました。
関節の歪みだけ着目されますが、関節を支えているのは筋肉なんです。
じつは、ヒトのからだには約600ほどの筋肉があり、これが全部きちんと働いているかというと、そうではないのです。
ヒトは使いやすい筋肉しか使わないので、よく働く筋肉と働かない筋肉が存在します。
そして、からだを動かしたり姿勢を保つためには、筋肉がバランス良く力を発揮できることで関節は支えることができ、スムースに動かせることができるのです。

関節を支えている筋肉が、上手く働いていない、筋力低下が起きてしまうと、関節を支える筋肉の力はアンバランスになり、関節はスムースな動きを失ってしまいます。
つまり、筋肉が本来の役割を果たせていないため、上手く働いていない筋肉の周囲にある別の筋肉が過剰に頑張ってフォローしようとするので、これが凝りになってしまったり、関節に痛みを発してしまったりするのです。
このような筋肉の状態で、かたよった動き方や長時間同じ姿勢でいることの積み重ねが、からだの歪みを生じさせ、不調を起こしてしまうわけです。
例えば、腰を反ったときや腰を丸くしたときに痛みが出るのは、腹筋や背中の筋肉が弱いとか関節の歪みとかではなく、骨盤や腰椎を支える別の筋肉の働きが悪くなっているからです。

働きの悪い筋肉、筋力低下が起きている筋肉の状態でボキボキする関節矯正だけをしても、歪みはその時には一時的に治ることもあるでしょう。

しかし、関節矯正で整えたり、凝っている筋肉だけをゆるめる、鍼を打つ、温めて血流を良くするだけで、働きの悪い筋肉を放置していては根本的な改善にはなりません。

働きの悪い筋肉に何も手を打たず、施術後いつものように普段通りの生活動作や運動をしていると、時間とともにからだはまた元の歪みに戻り、一時的にゆるんでいた筋肉は再び凝り始めてきてしまいます。

なので、関節が歪んでいる、痛みが出ている、筋肉が凝ったりしている、だから、筋肉の働きが悪くなる、筋力低下を起こすのではありません。
関節を支えている筋肉の働きが悪くなる、筋力低下を起こす、だから、関節が歪む、痛みが出る、筋肉が凝ったりしてしまうのです。

また、関節を支える筋肉に必要なのは太さや量だけではありません。
働きが悪くなる原因には、脳からの「働け」という指令の頻度や伝達も大きく影響しています。
「働け」という指令が伝達されにくくなると、筋肉は働かなくても良いんだと認識し、力を入れることを忘れてしまい、前述したように別の筋肉が過剰に頑張ってフォローしようとします。

そうなると、姿勢は徐々に崩れはじめ、関節に負担をかけ始めてしまうため、腰痛やストレートネック、狭窄症、四十肩・五十肩、外反母趾や手指の変形など、あらゆる関節痛、疲れがなかなか取れないなどといったことが出てきます。
そして、からだの深部にある筋肉や意識が向きにくい筋肉ほど働きが悪くなりやすく、筋力低下を起こしやすいです。
また、血流も悪くなりやすいので、疲労の回復も悪くなってしまいます。
なので、いざ「働け」と思って意識して力を入れても、力が入っている感覚がしないということがあります。
なかなか症状が改善しないのは、働きの悪い筋肉があって「働け」という指令が伝達されにくく、力が入りずらくなっている状態なので改善するには時間を要します。
働きの悪い筋肉を放置して、歪みだけを治す、凝っている筋肉だけを緩めるだけでは、関節を支える筋肉は上手く働いてくれません。

今月も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

2022/08/25
「1日1万歩」を目標に歩く必要はないですよ  

今月のタイトルを見て「えっ!」と思ったかと思います。

ウォーキングは、摂取したカロリーを消費できる簡単な運動なので、病気のリスクを軽減して、 心身の健康を増進 してくれます。

ただ、健康やダイエットのために1日1万歩を目標とするのは科学的な考えではないということです。
1日1万歩達成できていたら大丈夫、歩けば歩くほどからだに良いと思っていると、健康効果がないどころか免疫力を下げてしまうリスクもあるようです。
歩き過ぎも含め、運動のし過ぎで、かえってからだを悪くしてしまっては歩く意味がなくってしまいます。
やるなら、効率よく、効果が期待できるやり方が良いですよね。

じゃあ、1日1万歩になった根拠はなに?となりますよね。
もともとは医師や専門家が提唱したものではなく、1960年半ばに日本で「万歩計」が発売され「健康のために1万歩を歩きましょう」というキャッチフレーズからはじまったそうです。
なので、科学的根拠もなかったそうです。

ただ、厚生労働省の「健康日本21」では、身体活動量増加のための手段として「歩数の増加」をあげていて「1日1万歩」が理想とされています。
その根拠として、食生活の欧米化が進み、運動量が減ったことから1日の摂取エネルギー量が消費エネルギー量を300kcalほど上回っていたそうです。
この300kcalの過剰分を消費するには、普通のペースで約1,000歩を歩いた場合、消費カロリーが約30kcal になり、1日300kcal消費するのに必要な歩数は約1万歩という計算になるのです。
覚えやすい数字というのもありますね。

しかし、健康に良いと長年言われてきた1日1万歩の目標が今では、いろいろな研究結果から1日1万歩を達成する必要はなくても、ウォーキングには健康上のメリットがあることがわかっています。

2019年の高齢女性を対象とした研究結果では、1日4400歩を歩く人は、1日2700歩以下のあまり歩かない人と比べると、その後の4年間の死亡率が低いことがわかったそうです。

ただ、死亡リスクの低下は1日約7500歩で最大になるようで、1日1万歩やそれ以上歩いてもメリットがないこともわかったそうです。


同様に2020年の研究結果では、1日8000歩から1万2000歩を歩く人は、1日4000歩の人と比べて、あらゆる原因での死亡リスクが低くなるとわかったそうです。

これらを合わせると、1万歩に達しても、達していなくても、多く歩くことは健康に良いということになります。

でも、効率良く健康にということであれば、1日7000歩から8000歩が効果的と言われています。
ただし、運動強度に着目しての目標歩数になります。

よく、減量目的でウォーキングされている方もいますが、ウォーキングをすることに害はありません。
この場合はウォーキングと合わせて「食事の見直し」が一番重要となってきます。

今月も最後まで読んでいただきありがとうございました。

2022/08/24
どのくらいの運動をすれば良いのかな?って迷ったことありませんか?  

先月、1日1万歩を目標に歩かなくても良いですよというテーマで書きました。

じつは、ある程度の運動負荷をかけていれば1日1万歩未満でも良いということです。

その運動負荷ですが、運動をするときにどの程度の強さまでなら効果が期待できるのかわからないですよね。

「ほどほどに」、「無理のない程度に」と言われてもピンとこないですよね。
日常生活での活動でもどのくらいの運動負荷になっているのかわからないと思います。

普段から歩いてるから大丈夫といっても、ゆっくり歩いて?、やや早歩き?、会話ができないくらいの早歩き?なのでしょうか?
とりあえず運動しなきゃ!と思って長時間運動をしても、強度が不十分であれば運動効果は得られにくく、反対に運動強度が強すぎると心肺機能や傷害へのリスクが高くなってしまいます。

運動を始めようと、いざやる気を出しても1日にどれくらい運動をすればいいのかな?と悩むことになってしまいます。

目的に合わせた適切な運動強度を設定することは、運動を効果的に行うために必要不可欠な要素です。

そこで、今月は運動強度の指標について書いていきます。


運動強度は、運動時の負荷やきつさのことを指し、表し方には「METs(メッツ)」、「心拍数」、「自覚的運動強度(RPE)」というものがあります。

その中でも、「METs(メッツ)」について書いていきます。


メッツは、からだを動かしたときに感じるきつさ(身体活動や運動の強さ)を表す指数です。

座って安静にしているときを基準として、安静にしている状態と活動する動作や運動と比較して何倍のエネルギーを消費するかを見る単位となります。


人は安静にしていてもエネルギーを消費しているので、その状態が1メッツとなります。

そして、安静時の2倍のエネルギーを消費する場合は2メッツ、3倍なら3メッツ、4倍なら4メッツとなっていきます。

消費カロリーが少ない順に「低強度」→「中強度」→「高強度」に分類されて、活動強度が高いほど、からだにかかる負荷が大きくなります。

活動強度の目安は以下のとおり。

・低強度:簡単な家事、ゆっくりとした散歩など(1~3メッツ未満)

・中強度:早歩き、犬の散歩、山歩きなど(3~6メッツ未満)

・高強度:ジョギング、かけ足、ジャンプなど(6メッツ以上)


冒頭に書いた、ある程度の運動負荷とは「中強度に相当する3~6メッツの身体活動や運動」を日常生活のなかに20分間取り入れるということです。

基本的に、1日8000歩で中強度の運動を細切れでも良いので合計して20分できていれば万病予防になると言われています。

しかし、1日8000歩を歩いて翌日に疲れが出る、膝が痛くなってきたなど、体に違和感を覚えたときは、1日7000歩で中強度の運動を15分に減らすことや目的に応じた歩数の調整と運動強度の調整は必要になってきます。


健康のために毎日1時間歩いているという設定で運動強度を計算すると、普通の歩行(分速67m)は3メッツの運動強度なので、

3メッツ × 1時間 × 7日 = 21メッツになります。

そして、普通の歩行のなかで早歩き(分速93m)を10分間 × 2回、細切れでも良いので合計20分歩くようにすると、速歩きは4.3メッツの運動強度なので、
4.3メッツ × 0.33時間(20分11時間換算) ×7日 = 9.933メッツ。

合計すると、21メッツ + 9.933 = 30.933メッツになります。

そして、1週間で健康に望ましいとされる23メッツをクリアすることもできます。


また、65歳以上では運動の強度を問わず、1週間あたり10メッツ行うことが必要とされています。

運動の強度を問わないというのは、3メッツ未満の活動や運動で構わないということです。 

3メッツ未満の運動例としては、2.3 ストレッチング、2.8 座って行うラジオ体操があります。

そして、1週間あたり10メッツは、2.0メッツ程度の活動または運動を、1日合計45分(朝、昼、夕に15分ずつ)行うとできます。 

脳の活性化のためにも生活習慣病などに気をつける必要がありますし、 生活習慣病などに気をつけるためには、日常の活動や定期的な運動が必要となってきます。


最後にメッツの活動内容を紹介します。

3メッツ未満の生活活動

1.8 皿洗いをする

2.0 洗濯をする、立って食事の支度をする、非常にゆっくりとした歩行

2.2 こどもと軽く遊ぶ

2.0 ~ 3.0 時々立ち止まりながら買い物や散歩をする

2.3 ガーデニング、動物の世話をする

2.8 ゆっくり歩く


3メッツ以上の生活活動

3.0 普通歩行(67m/分、犬を連れて)、電動アシスト付き自転車に乗る、家財道具の片付け、子どもの世話(立位)、台所の手伝い、大工仕事、梱包、ギター演奏(立位)

3.3 カーペットやフロア掃き、掃除機、電気関係の仕事:配線工事、身体の動きを伴うスポーツ観戦

3.5 歩行(75~85m/分、ほどほどの早さ、散歩など)、楽に自転車に乗る(8.9km/時)、階段を下りる、軽い荷物運び、車の荷物の積み下ろし、荷づくり、モップがけ、床磨き、風呂掃除、庭の草むしり、子どもと遊ぶ(歩く/走る、中強度)、車椅子を押す、釣り(全般) 、スクーター(原付)・オートバイの運転

4.0 自転車に乗る(≒16km/時未満、通勤)、階段を上る(ゆっくり)、動物と遊ぶ(歩く/走る、中強度)、高齢者や障がい者の介護(身支度、風呂、ベッドの乗り降り)

4.3 やや早歩き(やや速めに=93m/分)、苗木の植栽、農作業(家畜に餌を与える)

4.5 耕作、家の修繕

5.0 早歩き(速く=107m/分)、動物と遊ぶ(歩く/走る、活発に)

5.5 シャベルで土や泥をすくう

5.8 子どもと遊ぶ(歩く/走る、活発に)、家具・家財道具の移動・運搬

6.0 スコップで雪かきをする

7.8 農作業(干し草をまとめる、納屋の掃除)

8.0 運搬(重い荷物)

8.3 荷物を上の階へ運ぶ

8.8 階段を上る(速く)


3メッツ未満の運動

2.3 ストレッチング、全身を使ったテレビゲーム(バランス運動、ヨガ

2.5 ヨガ、ビリヤード

2.8 座って行うラジオ体操


3メッツ以上の運動

3.0 ボウリング、バレーボール、社交ダンス(ワルツ、サンバ、タンゴ)、ピラティス、太極拳

3.5 自転車エルゴメーター(30~50ワット)、自体重を使った軽い筋力トレーニング(軽・中等度)、体操(家で、軽・中等度)、ゴルフ(手引きカートを使って)、カヌー

3.8 全身を使ったテレビゲーム(スポーツ・ダンス)

4.0 卓球、パワーヨガ、ラジオ体操第1

4.3 やや早歩き、ウォーキング(93m/分)、ゴルフ(クラブを担いで運ぶ)

4.5 テニス(ダブルス)✽、水中歩行(中等度)、ラジオ体操第2

4.8 水泳(ゆっくりとした背泳)

5.0 かなり早歩き(107m/分)、野球、ソフトボール、サーフィン、バレエ(モダン、ジャズ)

5.3 水泳(ゆっくりとした平泳ぎ) 、スキー、アクアビクス

5.5 バドミントン

6.0 ゆっくりとしたジョギング、ウェイトトレーニング(高強度、パワーリフティング、ボディビル)、バスケットボール、水泳(のんびり泳ぐ)

6.5 山を登る(0~4.1kgの荷物を持って)

6.8 自転車エルゴメーター(90~100ワット)

7.0 ジョギング、サッカー、スキー、スケート、ハンドボール(試合時)

7.3 エアロビクス、テニス(シングルスの試合時)、山を登る(約4.5~9.0kgの荷物を持って)

8.0 サイクリング(約20km/時)

8.3 ランニング(134m/分)、水泳(クロール、ふつうの速さ、46m/分未満)、ラグビー(試合時)

9.0 ランニング(139m/分)

9.8 ランニング(161m/分)

10.0 水泳(クロール、速い、69m/分)

10.3 武道・武術(柔道、柔術、空手、キックボクシング、テコンドー)

11.0 ランニング(188m/分)、自転車エルゴメーター(161~200ワット)


今月も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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糸井中国整体術

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